本専攻では、総研大が全学的に提供する総合教育科目及び物理科学研究科が提供する研究科共通専門科目により広い視野を養うとともに、以下に示した専攻専門科目により核融合科学の基礎から先端までを効率よく習得できるよう、カリキュラムが編成されています。 

※修了要件

本専攻に5年(3年次編入については3年)以上在籍し、42単位(3年次編入については12単位)を取得し、かつ必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査及び試験に合格すること。ただし、特に優れた研究業績を上げた者は、在学期間を短縮して修了を認めることがあります。

授業科目

専攻専門科目 単位 内容
プラズマ物理学Ⅰ 2  プラズマを理解する上で必要とされる基礎的な物理を学ぶ。前半は単一荷電粒子の運動、流体としてのプラズマの振る舞い、拡散、プラズマ中の波動について解説する。次に、炉心プラズマを理解する上で基本となる電磁流体力学、平衡と安定性、さらに、プラズマの運動論的扱い、非線形プラズマ現象などについても講述する。
プラズマ物理学Ⅱ 2  核融合プラズマの研究を行う上で必要となる物性を理解するための、基礎的な物理概念について講述する。プラズマの挙動は微視的な粒子的性質と巨視的な流体的性質の両面から理解する必要があり、そのために必要な基礎知識を習得させる。具体的には、種々の電磁場中での荷電粒子の運動、速度空間における分布関数表示と流体表示との関係、電磁流体力学的平衡と安定性、プラズマ中の波動、輸送や抵抗の基礎等について明らかにする。
プラズマ実験学 2  この授業では、研究の中で取り扱う実験データについて、誤差評価を行い、適切に解析する力を養うことを目的とする。具体的には、プラズマ診断の基礎を概説するとともに、数理統計学に基づく誤差評価の方法および、その応用として最小二乗法によるデータ解析法について講述する。また、正規分布を基礎とし、その他の分布についても取り扱う。
プラズマ理工学特論 2  磁場閉じ込め核融合装置における周辺プラズマ輸送と、装置壁とのプラズマー相互作用について、基礎的な物理過程を講義する。プラズマからの膨大な熱流速を受けるダイバータについて、その成り立ちの歴史と将来の装置設計に向けた今後の課題についても触れる。また、核融合プラズマをはじめ各種プラズマ研究で用いられる原子分子過程についても講述する。プラズマ分光診断のための原子分子過程の基礎及び化学反応速度論、衝突輻射モデルについて解説する。
核融合システム工学 2  核融合発電炉のシステム全体、及び、基本構成要素である超伝導コイル、加熱装置、ダイバータ、ブランケットなどについて、それらに要求される特性や機能を概説する。超伝導コイルに関しては、超伝導材料の物性や超伝導特性を解説してから今後の課題について議論する。また、ダイバータやブランケットに関しては高熱流束や中性子照射に対する課題について議論する。
核融合炉材料工学 2  材料の弾性、塑性及び材料強化の理論、さらに照射損傷理論について概説する。代表的な材料試験として引張試験をとりあげ、機械特性の評価手法と試験結果の解析方法を学ぶ。核融合実験炉ITERで使用される材料及び、将来の原型炉における代表的な候補材料とその特性について述べる。ITERと原型炉では中性子照射環境や材料の使用温度が異なるため、どのような材料特性の改善が必要なのかを具体例を示しつつ解説する。
シミュレーション科学基礎論 2  複雑なプラズマの振る舞いを解明するための強力な研究手段である計算機シミュレーションについて概説する。本講義ではプラズマシミュレーションで主に用いられる粒子法と流体法を中心に、その基本概念、基礎方程式、アルゴリズム、プログラミング、実際の計算プログラムによる典型的な物理現象のシミュレーション例およびその可視化解析、さらには手法の特徴と限界および数値誤差について講述する。
数理物理学 2  膨大な数の荷電粒子が電磁相互作用を介して多様な集団現象を生み出すプラズマのような複雑な物理システムを扱う場合、様々な数理物理学的手法が用いられる。本講義では、解析力学や統計力学に用いられる基本的な数理物理学的手法を習得し、その応用例として、プラズマの運動論、流体モデルや輸送理論について学ぶ。
科学技術英語 2  磁場閉じ込め核融合研究は、ITERに代表されるように国際協力を基軸として推進されることが多いため、第一線で活躍する研究者になるためには英語による高いコミュニケーション能力が要求される。本講義では、関連分野の文献の読解演習や洗練された英文記事を概説することにより、国際会議発表や科学論文の執筆時に要求される英語能力の向上を図る。
プラズマ・核融合科学演習ⅠA・ⅠB 2  各大学院生の固有の研究課題の遂行のために必要となる、研究の経過及び得られた結果についての討論、実験演習、理論・シミュレーション演習などを、各大学院生の担当教員及び教育研究指導分野の教員が中心となって実施する。
プラズマ・核融合科学演習ⅡA・ⅡB 2
プラズマ・核融合科学演習ⅢA・ⅢB 2
プラズマ・核融合科学演習ⅣA・ⅣB 2
プラズマ・核融合科学演習ⅤA・ⅤB 2
プラズマ・核融合科学考究ⅠA・ⅠB 2  プラズマ・核融合科学領域における諸課題を少人数によるセミナーを通じて深く探求し、基礎知識、考察力、展開力、まとめ方など独創的研究をおこなうのに必要な素養を養成する。各大学院生の教育研究指導分野に応じて担当教員が中心となって実施する。
プラズマ・核融合科学考究ⅡA・ⅡB 2
プラズマ・核融合科学考究ⅢA・ⅢB 2
プラズマ・核融合科学考究ⅣA・ⅣB 2
プラズマ・核融合科学考究ⅤA・ⅤB 2
論文演習 2  学術論文を書くには、優れた研究を行うことが重要であるが、実はそれだけでは十分ではない。「研究のやり方」はそれぞれのテーマにより異なるが、学術論文としてまとめる際には共通した「書き方」というものがある。単に研究結果を羅列するのではなく、イントロから結論に至るまでのストーリーが必要である。このストーリーの作り方を「論文の書き方」として講義する。
プラズマ・核融合科学セミナー 2  プラズマ・核融合科学に関連したコロキウムに参加してこの分野の研究動向に関する最新情報を習得する。また自ら発表することにより研究成果を取りまとめ効果的に発表するための手法を身に付ける。質疑応答を通して自らの研究内容や様々なプラズマ・核融合科学分野の研究を深く考察することを学ぶ。
理工学基礎演習Ⅰ 2  これから核融合プラズマの実験研究を実施するにあたって、必要となる基礎的な知識と手法を講義と演習を通じて理解することを目的とする。本演習を通して、超高真空とは何か、その生成方法は?、信号を見るにはどうすればよいか、ノイズを減らすには?、高電圧・大電流による危険とは何か、どう回避するのか、等々、真空機器、計測機器、高電圧・大電流機器の取扱や設計をするにあたって必要な基礎技術の習得を行う。
理工学基礎演習Ⅱ 2  核融合実験装置を用いた安全な研究のために重要な放射線取扱基礎技術、磁場閉じ込め核融合装置の要である超伝導コイルを極低温に冷却する高圧ガス・低温機器の取扱基礎技術、核融合実験装置内のプラズマ対向材料および構造材料の評価や、そのために必要な加工に用いる装置の取扱基礎技術を、それぞれ習得することを目的とした演習を行う
理工学基礎演習Ⅲ 2  プラズマ物理を研究する上で必須となる、データ処理や理論解析及び数値シミュレーションの基本的知識と手法を身に着けるための演習を行う。具体的には、実験や数値計算から得られるデータの画像処理(可視化)、シミュレーション研究の基礎となるUNIXやFortranプログラミング、およびベクトル解析や複素解析といった応用物理数学についての基礎的な実習を行う。