自然科学研究機構核融合科学研究所で5日間にわたって開催された夏の体験入学は、プラズマ物理と核融合研究に興味を持つ私たちにとって、貴重な学びの機会となりました。
初日は、スーパーコンピュータ、大型ヘリカル装置(LHD)やVR装置の施設見学を行いました。初めて目にするこれらの装置に、驚きと感動の連続でした。
2日目からは、核融合科学研究所のコース長による「核融合とは何か?」を題材にした講義から始まりました。特に、ITERやJT-60SAなどの国際的な核融合プロジェクトについての話は非常に興味深く、核融合炉の実現に向けた国際協力の重要性を実感しました。
次に課題を担当してくださった前山伸也先生による「プラズマ乱流シミュレーションと非線形三波相互作用のネットワーク可視化」という講義から始まりました。前山先生は、磁場閉じ込めプラズマにおける乱流と輸送の基本概念を丁寧に説明してくれました。講義の後は、実習課題に取り組みました。理論的な背景を学んだ後、実際にシミュレーションを行うことで、プラズマ乱流の複雑な現象を視覚的に理解することができました。特に、長谷川-若谷方程式を用いたシミュレーションでは、乱流がどのように自己組織化し、帯状流を形成するかを観察することができました。この過程で、乱流輸送の抑制メカニズムについても深く学ぶことができました。
また、非線形三波相互作用の解析では、エネルギー伝達関数を用いて、異なるモード間のエネルギーのやり取りをグラフとして可視化しました。この解析は非常に難しく、特にグラフの複雑性を理解することが困難な場面に直面しましたが、先生方のサポートのおかげで、少しずつ理解を深めることができました。
体験入学の最終日には、各自が行った実験やシミュレーションの結果を発表する機会がありました。他の参加者の発表を聞くことで、自分とは異なる視点やアプローチを学ぶことができ、大変刺激を受けました。また、発表を通じて、自分自身の理解を深めることができたと感じました。
この体験入学を通じて、プラズマ物理と核融合研究の奥深さを実感し、研究の魅力と困難さを体験することができました。特に、シミュレーションを活用した視覚的な理解は、理論だけでは得られない非常に貴重な体験でした。また、同じ志を持つ仲間との交流は、モチベーションの向上にも寄与しました。
非常に充実した5日間で、あっという間に過ぎました。前山先生をはじめ、核融合科学研究所の皆様に心から感謝申し上げます。深謝。