私は都城高専に在学しており、五年卒業時に進学を考えています。そこで、この体験入学では、一緒に参加する大学生や核融合研究所で学ぶ大学院生と交流することで、これからの進路決定に生かしたいと思い、応募させていただきました。
私は重イオンビーム生成実験という課題に取り組みました。少し複雑な内容で息詰まることもありましたが、研究所の先生方や補助学生の方が丁寧に教えてくださったり、同じグループのメンバーと議論したりすることでなんとか理解することが出来ました。また、意外と学校で学んでいる専門知識を生かせる場面が多々あり、嬉しく思いました。この課題は実験系の課題で、実験データの処理の方法は学ぶべき点が多くありました。最終日には研究体験をまとめポスター発表をする機会があり、自分の実力不足をありありと感じさせられましたが、とても貴重な体験になったと思います。これらの過程で、核融合科学研究所に所属する学生、または一緒に体験入学に参加している学生と自分を比較することで、自分の中の勝負できる部分、一方で明らかに劣っている部分をいやというほど知ることが出来ました。これは間違いなく、自分の将来を考えるうえで重要な経験だったと思います。
また、私は核融合について興味は持っていましたが、それほど思い入れがないまま体験入学に臨みました。私はそのことをすごく後悔しました。核融合研究所の学生の方々の核融合に対する思いと、私のそれとには大きな差がありました。当然といえば当然のことかもしれませんが、学生の方々と話している間など、温度差を感じずにはいられませんでした。いかに目標を持つことが大事であるかを考えさせられ、今まで目標をもたずに勉強してきたことを後悔しました。そして、周りがみな同じ目標を持ち、共に高め合いながら研究ができるという環境をとてもうらやましく思いました。
体験入学を通して、核融合に関する研究、プラズマ工学の研究がどういうものか知ることができました。核融合に関する研究に進んでいくかどうかはまだ決めきれていませんが、エネルギー問題に対決する研究にとても魅力を感じました。その道に進めるように勉強を頑張っていきたいです。
今回の体験入学を総評すると、冒頭で言った目的は十二分に達成され、得られたものはその何倍も勝ったものでした。夜中、宿泊施設のロビーに集まって、ポスターを囲んで議論し合ったことは忘れられません。早い時期にこのようなプログラムに参加することができて、本当に良かったと思います。この夏の体験入学が来年、再来年も続いていくことを心から願っています。