[実習について]

僕は課題8の「LHDプラズマで生じる揺らぎの時系列データ解析」に参加しました。実習の流れとしては、Pythonの環境構築から始まり、最終的にはnumpy(行列計算)とmatplotlib(グラフ描画)の二つのライブラリを用いて、LHDの実際の計測データからプラズマの揺らぎの特徴を見つけ出す、というところまで行きました。Pythonは個人開発などで書いていたのですが、特にライブラリの利用の際、テクニカルな記法や関数、解析に役立つ小技などの新たな学びがありました。今回は解析の手法として高速フーリエ変換(複雑な波を分解する)やバンドパス処理(たくさんの波から一部だけを取り出す)を用いましたが、これらの処理もライブラリに関数が用意されており、実装パートで本来必要になる「複雑な数学的処理の実装」を省き、プログラム全体の構成に集中することができました。

データの解析後は実習課題ごとのスライド発表があり、その際にも多くのことを教わりました。スライド全体の構成を練ってから、効率的に作成するための草稿を用意し、ほかの班と比べても見やすいスライドが作成できたと思います。

全体を通して、学部一年生でも理解できるよう嚙み砕いた丁寧な説明をしていただき、つまづいた時にはしっかり時間をとって解説していただいたため、理解できずにおいて行かれるということがなく進みました。本当にありがたかったです。

 

[オンライン開催について]

僕は二年前(2019年度)の体験入学にも参加していたのですが、現地開催だった前回と比べて、オンライン開催だった今年はいくつか違いを感じました。

合宿形式で行われていた前回は、班員と談笑しながら交友を深め、実習終了後もご飯や寮で実習の振り返りや、お互いの学校や進路などの話をすることができました。しかしオンラインであった今回、班の方と親しくなるのに時間がかかり、連携をとって作業をするのが大変でした。また、スライドなどの共同編集や、Zoomの活用なども各個人でスキルの違いがあり、オンラインならではの悩みとともに実習が進んでいました。

もちろん悪い点だけではなく、他人の目を気にせず各々の集中できるスタイルで実習を進めることができ、また、自分のPCをつかって参加できるため複数ディスプレイや気に入っているデバイスを使った効率的な作業ができました。

初めてのオンラインでの実習参加に不安もあったのですが、先生方のサポートもあり、全体的には「オンラインでも現地開催に劣らない内容の実習ができる」と感じました。もちろんこれはPCでの作業がメインのシミュレーション・解析系だけだと思いますし、実験系の課題も興味があるので、来年は現地で実習を受けられることを祈っています。

 

[まとめ]

全体を通して細やかな気配りと余裕をもったスケジュール調整がなされており、とても満足度の高い体験入学でした。内容についても、参加する層に合わせたちょうどいい難易度の課題になっており、実際にどういう分野が存在するのかを感じるのにとてもいいイベントだと思います。

核融合分野に進むのを決めていて、実際に必要なスキルを知りたい方、核融合に興味があるがどういうことをしているのか分からない方、どちらが参加しても満足いく体験ができると感じました。