この度は、夏の体験入学に参加させていただき誠にありがとうございました。
 学部の1年から4年の方、大学院の人、また高専の方など様々な所属の方が参加しており、研究所の先生方はもちろんのこと、そのような同じ参加者の方たちからも多くの考えや研究分野の話を聞き、見分を広げることが出来ました。
 核融合という言葉に惹かれての参加でしたが、初日の施設見学にて拝見させていただいたVR、スーパーコンピューター雷神、そして大型ヘリカル装置を通し、一つの大きなテーマについての研究でも多くの技術の積み重ねで進められていることが実感できました。 加え、今まで高校や大学での講義において理論のレベルまでしか知らなかったものを、現実で実現しようとしたときにどのような装置が必要で、それがどのくらいの規模のものなのかを実際に目で確かめられたことは、私にとって非常に大きな経験となったと感じます。
 私の参加した課題は,「プラズマ電位計測のための重イオンビームプローブ装置の開発」という題で、大型ヘリカル装置(LHD)内のプラズマの電位分布や電位の揺らぎを調べるための装置である、重イオンビームプローブ(HIBP)の一部を実際に使用し、金の負イオンをビームとして投射した際の、磁場から受ける力と質量との関係からそのビーム種が本当に金かどうかを判定する作業と、ビーム経路と水平に設置された電極に電圧をかけたときのビームの偏向度合から、最適な経路を見つけるという作業を行いました。 制御室にて装置の設定値を操作しながらデータを取る作業はとても楽しかったと同時に、はっきりとした手順を組んでから実行することの大切さを学べました。
 この課題を通し、私の得られたものの中で最も大きいと感じることは,「研究というレベルの高い現場においても、基本的な知識と計算は大学、さらに言えば高校などの教育からの積み重ねであり、これらの基礎を固めることが大切である」と身に染みて実感できたことです。
さらに、最終日にはそれぞれの班ごとの課題の成果を発表する場がありましたが、それまで私には、一つのテーマについて班として取り組み、発表を行った経験がほとんどなかった為、PowerPointでの資料作製も、初めはなかなか進みませんでした。 そんな中でも、内容の伝わりやすい資料の作り方を、担当の先生方が丁寧に教えてくださったことで、社会にも通ずる技術を学べたと感じます。
 今回の体験入学では、核融合研究所のことを良く知ることが出来たと同時に、様々な知識や経験を得ることが出来たと思います。 五日間、本当にお世話になりました。