今回の体験入学で私は「放射線測定技術を用いたプラズマ中における高エネルギー粒子の閉じ込め研究」という課題に取り組みました。この課題を選択した理由として、漠然とプラズマ研究に興味があり、学部1年の時間のある頃から第一線で行われている実験に触れたいと強く感じたという事や、放射線技術に興味があったからです。
 初日は施設の先生方による研究の紹介や施設紹介、親睦会などを行って頂きました。施設紹介では VR を用いた LHD の設備の紹介がものすごくリアリティのあるもので大変わかりやすかったです。また、第一線で活躍しているスーパーコンピュータである「雷神」の見学など足を運ばないと出来ない貴重な体験ができました。
 2日目では核融合の講義を2時間受講させて頂きました。それらではもちろん核融合発電の仕組みの授業から始まるのですが、核融合発電における無尽蔵にエネルギーを取り出せるため、人類のエネルギー問題による紛争の解決になるという観点からも核融合発電は非常に未来有る研究だという私が考えていなかった視点からお話しを聞かせて頂き視野が広まりました。その後からは各々の課題の実験を行いました。
 私が行った課題の内容はシンチレーション検出器であるガンマ線検測器の Nal(Tl)や中性子検出器の NE213 を用いて 137Cs から放射するガンマ線を測定し、パルス波高分布の記録をすることや中性子エネルギースペクトロメータにて同様の実験を行い2つの検出器を同増幅率に調整するために電圧特性を測定しました。
 まず、シンチレーション検出器の仕組みとしてはシンチレータにガンマ線が入射する際に、コンプトン散乱や光電効果により電子が発生し、それを光電子増倍管にて光を電気信号に変換し増幅します。それをプリアンプや整形アンプにて波に変換するというものです。実験は課題のチームの 2 人のおかげでスムーズに行きました。
 その後、発表のためのプレゼンテーションを一日中作成しました。そのプレゼン資料を作る際にも課題のメンバーで一致団結し、なんとか作り上げることが出来ました。
 最終日の発表では緊張しながらもなんとかやり遂げることができ、大きな達成感が得られて大変嬉しかったです。これらの課題を通して先生方は基礎的な所もわかりやすく教えて頂き、1年の私でも理解することができました。
 体験入学を通して、核融合について多くを学べたとともに、先生方、そして学生のみなさんともたくさんお話させてもらったことで私の知見を広めることが出来ました。
 とても有意義な 1 週間でした。あらためて皆さんありがとうございました。