この度は総研大の核融合科学専攻での夏の体験入学に参加させて頂きありがとうございました。新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るう中、研究所のスタッフの皆様の様々な努力の結果、大変充実した 5 日間を過ごすことができたことを深く感謝します。
この核融合研究のことを知ったのは高校 1 年生の時の数理のとあるイベントの時でした。先輩が紹介してくれたそのプラズマを閉じ込める仕組みと、そのヘリカル装置の写真にインパクトを感じたのを覚えています。その時、絶賛されていたのがこの夏の体験入学でした。今年、大学生となり、その時のことを思い出して応募したのが経緯となります。
さて、実際の夏の体験入学に参加してみてですが、それは、それは、驚きの連続でした。コロナ禍で大学の授業もままならない、ましてや物理科や工学部でない化学科の自分がついていけるのか、かなりの不安がありました。しかし、いざ参加してみると先生方や TA、研究仲間が、研究に関する様々なことをわかりやすく教えていただきました。自分はレーザーの発振実験をテーマとして選びましたが、その中でレーザーの深い仕組みであったり、その様々な種類であったりを学んでいく上で自分がどういう研究を進めるのか、膨大な実験データをどうするのか、その結果どのような考察を得られるのか、随所で助言をいただきました。
研究の中ではレーザーという身近にあって、様々な研究にも使われる現象の仕組みの一部を深く理解することができました。普段レーザーポインターで使われる数千倍もの強さのレーザーを使ってレーザーの仕組みを確かめていくのは非常に良い経験になりました。とりわけ、パルスレーザーの発振実験でまだだれもがやったことのなかった一つの結晶によるもので、実際に入力よりも強い信号を得られた時はとても感動しました。また、それらの結果、最後にしっかりと発表結果をまとめ、全体の前で発表できたことは、コロナ禍でそういった活動がなかなかできない中で良い経験になりました。
研究以外でも今回の 5 日間は充実したものでした。初日には実際にヘリカル装置やVR 体験、スパコンの雷神といった、日本における最先端技術を数多くみて、その凄さを感じることができました。2 日目には核融合とこの研究所に関する基礎的なことをしっかりと教わり、自分の中で核融合に関する知識をまとめ、更新することができました。また、夜には若手研究者のキャリアビルディングがあり、同じ研究者を目指す自分にとって、研究者になるまでの過程、研究内容から私生活まで、様々な実情を知ることができ、とても参考になりました。3,4 日目はずっと研究体験でしたが、その中でも他の研究の様子や日本中様々なところから来た人たちと、それぞれの大学での研究などの話を聞くことができました。5 日目には全ての研究の発表も聞くこともできました。
とても楽しい 5 日間でしたが、コロナウイルス対策の中、研究を遅くまでやれなかったり、ほかの研究仲間と簡単に話せなかったり、色々制限が多いのもまた事実でした。その分参加者が少なく、少人数でお互いに知識を深め合うこともできました。今回の体験入学を経て、まだ自分が 1 年なのもあり、また、参加したい、できれば新型コロナウイルス対策の影響がない状態下でという思いは強くなりました。また機会があれば体験入学に参加して、核融合研を自分の進路の一つとして見つめていきたいと思いました。
最後に、研究を主導して下さった上原先生、安原先生、TA の Hengjun さん、Haotian さん、様々なところで助けてもらった研究仲間の鶴見さん、そして今回の体験入学を企画して下さった関係者スタッフの皆さんにこの場を借りて深く御礼申し上げます。楽しい 5 日間を本当にありがとうございました。