今回、核融合科学専攻の夏の体験入学に参加したことは、とても刺激的な経験となりました。というのも、将来、僕は核融合の研究に進みたいと思っており、その分野に特化した研究内容は非常に魅力的で自らの糧となるものでした。
配属課題は「プラズマの平衡・安定性解析入門」というもので、これは原理・解析・考察という大きく分けると3つの段階があったと思います。原理では粒子ドリフトや電磁流体力学の基礎、計測法と解析法の基礎を座学により学びました。僕はある程度プラズマについて独学で勉強していましたが、解析方法などの知識はなかったため、新たな発見をした気分となりました。また、ヘリカル型磁場における回転変換と不安定性について指導教員やTAの方と何度も確認して足りないところを理解しようと努力しました。2つ目の解析については実習の大部分を占めていたと思います。実際のデータからほしいデータを取り出す方法であるスペクトル解析はいろんな分野で使われている方法であり、今後研究室で実験した際に非常に利用価値があると思いました。実験から得られたデータを適切に処理する方法を知れたことはとてもよかったです。最後の考察の部分ですが、これが一番合宿中に苦しんだことであったと思います。また実習中に完全に理解できなかったことでもありました。得られた結果からどのような不安定性が起きているのか、そもそも何が原因なのか。これらはポスター発表の時にも影響を及ぼしました。聞いている人から質問や指摘を受けて苦しい思いをしましたが、逆にそのおかげで理解が深まったのだと思います。その時に他人と議論することや、自分の理解が深まることの楽しさを知れたことは大きな経験です。
また、ポスター制作の時は自分たちで1から作り、その大変さや仲間と協力することの大切さを知りました。これは指導教員の方が指導してくださったおかげだと思います。本当に感謝しています。
最後に、この合宿全体を通して、様々な人たちと交流できたり、研究者になるためにはどのようなことが必要なのか知ることができたり、核融合についてさらに理解が深まったりした、非常に濃い5日間でした。欲を言えばもっと期間を長めにしてほしいと思います。さらに、来年以降も体験入学が実施される場合は後輩にぜひ進めていこうと思いました。
指導教員だけでなく、TAや核融合科学研究所の皆様方には本当に感謝し致します。ありがとうございました。