私はこの体験入学をするにあたって3つの観点から体験入学を希望しました。それは総研大の教員や在学生の指導のもとで研究の最前線を体験できること、研究に必要な解析や手法を学ぶことができること、大学院で行われる研究はどのようなものなのかを知ることです。5日間の体験では実際に研究者が指導教員として実験や解析のプロセス、研究者としての生活、大学院進学後の生活等を学ぶことができました。
 私の体験した課題は課題4の「レーザー誘起蛍光法によるイオンの速度分布関数計測」です。体験課題では初めにプラズマや装置の大まかな性質を学び、実験を行いました。実験の流れとしてレーザー誘起蛍光法という方法でプラズマの性質を探っていくとともに、どのような分布になるかを観察しました。測定したデータから解析をする過程でガウス分布を用いたのですが、実験データがガウス分布にとてもきれいにフィットし、感動したと同時に様々な場面で見かけるガウス分布が今回の実験の分布にも重なることに自然科学の面白さを感じました。また実験では本来予定していた測定とは別で、私たちの好きなように実験条件を変えて実験をすることができました。課題を通して研究者が指導教員となって実験や解析の指導を行うことができるのは貴重なことであり、現代物理がどのようなことを探求しているのかを学ぶことができます。また研究者が指導してくださることにより、解析の手法を学ぶことができたと思います。
 私はこの体験入学に参加するにあたって3つの視点を重要視していました。総研大の体験入学では5日間ではありますが、総研大生がどのように学生生活を行うのか、研究は具体的に何をしているのかを学ぶことのできるいい機会であったと感じます。体験した課題は自分が普段勉強している分野とは異なりましたが、今学んでいることでプラズマ分野にも進むことができることについて可能性を感じました。この体験入学で私が得られたことはたくさんありますが、それら以外にも自分が本当にやってみたい、探求したいと思える研究分野を考えるいい機会にもなったと思います。同年代の学生が集まって物理について議論することで今後の研究の刺激になるとともに、研究の面白さや驚きを学べたと思います。参加する前では大学院に進学しても何の分野の研究をしようか迷っていましたが、体験を通して進学後の未来が具体的なものになったと感じます。今回得られた知識や技術、感じたことを踏まえて大学の勉強に励みたいと思いました。貴重な機会を設けてくださりありがとうございました。