この度は夏の体験入学に参加させていただき、ありがとうございました。今回私は「ANSYS を用いた磁気シールドの性能評価」という課題に取り組みました。この課題を選んだ理由は非常に単純で、学生が個人では使うことのできないような高性能なシミュレーションソフトを使って研究してみたいという気持ちからでした。課題では、実験によるパラメータの測定と ANSYS によるシミュレーションの解析結果を比較検討するというものでした。ANSYS は磁場から受ける応力やひずみ、荷重による変形などの計算を行うことができ非常に優れたソフトでした。しかしその反面、ANSYS に入力するパラメータや境界条件の設定を正しく入力しないと値が全く違うものになってしまうという特徴があり、シミュレーションする際に苦労しました。これまで私が実験で用いた機材の固定条件や境界条件などを曖昧に捉えていたということが明確に表れました。
体験入学では課題に取り組むだけではなく、現役の研究者の方に直接話を聞く機会でもあり、これからのキャリアを考えるうえでとても貴重な意見をいただきました。キャリアビルディングではお二人の研究者の方のこれまでの経歴を聞かせていただきました。研究に対する考え方から恋愛事情まで幅広くお教えていただけたので、現実的に自分の未来を考える指針を得ることができたのでとても嬉しかったです。ずっと核融合の研究をしている方や、異なる研究をしていた研究者の方までおられたので、研究者という職業は幅広く活躍できる職業であると感じました。
核融合科学研究所で所有している LHD や加熱機、スパコンなどの研究装置は機能、サイズ、値段共に見たことや聞いたこともない程に大きく、複雑でした。施設見学で最先端の機器を見たときに、言葉にできないワクワク感を感じました。
最終日には一緒に参加した学生や研究者の方々の前で発表を行いました。この一週間での成果を初めての人にもわかるようにかみ砕いて説明することは難しく緊張しましたが、前日に練習した成果を発揮できたいい発表になりました。同じ課題に取り組んだ学生さんの能力がとても高く自分ももっと頑張らなければ!と感じ、とても貴重な体験となりました。
今回体験入学に参加することによって得た経験は参加した人にしか体験できない経験であり、一週間前の自分よりも広い視点で物事を考えることができるようになりました。NIFS の皆様には大変お世話になりました。このような時期の中体験入学を企画していただきありがとうございました。
磁場遮蔽試験装置および ANSYS を用いた磁気シールドの性能評価
京都工業繊維大学4 年・Mさん