私は総研大5年一貫制博士課程に入学し、在籍中は先進核融合炉ブランケット構造材料として期待されているパナジウム合金の開発を対象とした材料研究を行ってきました。 私が総研大5年一貫制を選んだ第一の志望同動機は、核融合炉の実現に貢献できるような研究をしたいという意思です。私は生まれも育ちも東京であったため、岐阜県土岐市は馴染みの無い土地でしたが、新天地に飛び込み自分自身も開拓するという意も含めて総研大を選びました。 一概に核融合の研究がしたいと志願しても、核融合研究は多くの専門分野を包括した学際的な研究であるため、その分野は多岐に渡ります。そこで、一年次では磁場閉じ込め核融合を軸としながらプラズマ物理学、シミュレーション科学、炉工学等の幅広い基礎を学んでいきます。それらを踏まえて自分の専門分野と指導教員を選ぶのですが、多くの先生方の中から指導教員を選ぶことができる教育システムは自分の適性を選ぶ場として恵まれた環境だと思います。 そこで私は核融合炉材の分野を選択しました。特に材料作りの場では、自分の手を動かして、何か新しいものを創成するということに対してやりがいを感じています。自分で作った合金を用いて初めて論文にまとめることができたときは、多大な労力を費やした分、大きな達成感を味わうことができました。 学部生の段階において研究所の博士課程(総研大5年一貫制博士課程)に進学することはハードルが高く感じるかもしれませんが、核融合炉の実現と自分に対する挑戦という気持ちをもたれてみてはいかがでしょうか?